MV「Re:」Breakdown

先日ログった 第2弾 MV「Re:」

のブレイクダウン。

 

数カットピックアップして行うつもりだったけど、1カットのブレイクダウンだけでも十数枚ものイメージが必要になるので、1カットだけで実施。

 

選択したのはこのカット Final Shot

 

本題に入る前に少し余談。

 

そもそもアニメPV制作の意図として、弊社的にアニメの知見を溜めたかったことと、スタッフKがやりたがっていたことや、弊社的なアニメプロジェクトのスキーム構築や手法の見極めなど、複合要素があってのスタートだった。

 

当初はセルアニメ(デジタル)を前提としたキャラクターデザインや方向性の選定し手書きで進めていた。

 

実際のメインキャラのアニメーション素材化などを行い進行していたが、できるといっていたスタッフKのアニメーションスキルが個人的(スタッフM)に及第点に達していなかったので、急遽3Dを前提にしたアニメ制作にシフト。

 

理由は知見・スキルの低さと、できると思う意識と実際の能力の乖離が原因。

 

スタッフKが描く2Dアニメにそれらを超えてくるほどの「魅力」が欠損していることもあり、タイムコストとクオリティーを比較しても難しいという判断しか選択肢がなかったのが実情。

 

そこで、弊社としてアニメをやる方法を再検討し、だした答えが今回のアプローチ。

 

セルアニメの良いところ、背景の書割りやトーン感などは活かしつつ、基本を3Dで行う。

 

レンダリングは早いほうが好ましいので背景関連のレンダラーとしては「Unreal Engine」を使い

キャラクターのレンダリングはMAYAを使用。

 

アニメーション時のカメラはUnreal Engineでつけ、MAYAに渡すことでマッチームーブを実施するなど、今後のJobに有益な知見やスキームを構築できる結果へと繋がった。

 

実際、本編でつけているアニメーションも全て満足がいくものではないが、最初の一歩としては十分及第点ではないだろうか?と感じている。

 

では本題へ。 Unreal Engineで背景を構築。 セルルックのBG

 

リアルベースのBG

この2種類のBG素材を中心に関連パス素材を使ってBGのコンプアップを行う。

 

ちなみにセルベースの背景にキャラをのせるとこんな感じ

 

 

では実際に進めていこう。 セル調BG

 

それへリアル調BGを合成

 

更にセル調BGを合成

 

そもそもこのカットは照明の無い暗がりに外光が逆光で入ってきてるシチュエーションなので、その状況をつくっていく

 

上記の合成重ねたBGに逆光シチュエーションを合成

 

ここで背景のみのカラーを整える(一体化)

 

更に逆光度合いを高める

 

背景のベースは完了。 ここにキャラを合成

 

キャラと背景になじみがないのでキャラのカラーを整える(背景のトーンとのなじみ)

 

更に逆光シチュエーションに合わせてキャラに黒を足す

 

更に全体にマッチ感を持たせる為、光彩を追加

これでこのカットの下準備は終了。 他の全てのカットも大なり小なり同じような労力をかけている。 

 

細かなところは割愛しているが概ねログッた通りの進行。

 

その後本編内に組み込んで、全体のカラーを構築していく。 

 

グレーディングで世界観を煮詰めた最終ショットがこちら

 

全てのカットではないが、コンプアップグレーディング後は劇場版アニメレベルのアウトプットまで持っていけてるのではないだろうか?

 

今回下処理をアフターエフェクト コンプアップグレーディングをダビンチで行った。

 

ファーストアプローチでこのアプトプットを考えれば、個人的(スタッフM)にアニメの知見は皆無だったが、色世界の構築センスはあるのではないだろうか?


ちなみに「コンプアップ」や「コンプアップグレーディング」は、弊社独自の言葉だと思う。

 

意味合いとしては、「コンプアップ」=「クオリティーアップ」や

「コンプアップグレーディング」=「絵・見た目の質(クオリティー)を上げつつ、世界観を創る」的な意味合いで社内で使っている。

 

本当なら他のカットも簡単にブレイクダウンできればいいんだろうけど、本ログでまとめると長いログになるので今回はこれまで。

 

他のカットのブレイクダウンが知りたい方はコメントください。 隙間見てやってみます。

 

また「コンプアップ」に関しては、良く問い合わせをいただきます。

 

なかなか簡単に答えれるものでもないのでどうしたものか?と考えていましたが、「コンプアップ」の本を書こうと思います。

 

結構需要がありそうなので。。。

 

センスが如実にクオリティーに影響を与えはしますが、できるようになればアウトプットの「絵」の「質」が大幅に上がります。

プロでもこのスキルを物にしている人は少ない気がしているので、皆さんが気になっているのではないでしょうか?

 

既に次の執筆が来月より始まるので、「コンプアップ」の本を執筆できるのは来年かな?とは思っています。

 

合わせて、CG関連のコンプアップで高めてきたスキームやスキルを導入したシネマカメラ経由での実写ものへの転化とテストもあるので年内は難しいと考えています。

 

 

ま、なんにせよ 通常運行で頑張ります。

 

 

アーざす。

 

スタッフM。